一般の方への検査項目の説明書

主な検査項目の意義について

検査データの異常には病的でないものも含めて様々な原因が考えられます。
患者さん自身にとっての検査データの意味については、必ず担当医に説明してもらうようにしてください。

尿糖 血糖が高くなると尿中に漏れ出てきます。空腹時よりも食後の尿のほうが出やすくなりますが、通常は食後でも陰性です。体質的に出やすい人もいます。
尿蛋白 陽性だと腎障害の疑いがありますが、一時的なものもあります。蛋白の主成分であるアルブミンを高感度の検査で調べるともっと鋭敏に腎障害を見つけられます。
RBC(赤血球数)、Hct(ヘマトクリット)、Hb(ヘモグロビン) これらは赤血球の数と容量、血色素の濃度を意味します。これらが減るのは貧血、増えるのは多血症と言いますが、その原因を明らかにすることが重要です。貧血は慢性の炎症疾患や出血、鉄やビタミン不足、骨髄の病気などが原因となります。
WBC(白血球数) 白血球には数種類の血液細胞が含まれています。好中球とリンパ球という細胞が成分のほとんどですが、単球、好酸球、好塩基球という細胞も含まれています。主に炎症性疾患や免疫・アレルギー疾患そして血液疾患に関連して増減します。
PLT(血小板数) 血小板は出血したところをすぐに塞ぐ働きをします。壊されたり、造られなくなったりすると、数が減って血が止まりにくくなります。
LDH、AST(GOT)、ALT(GPT) これらは逸脱酵素といって、肝臓や筋肉・血液などの細胞が破壊された時に上昇します。上昇した酵素の種類と程度を参考にして、障害された臓器とその重症度を推定します。肝臓ではALT、血液細胞ではLDHの上昇が目立ちますが、他の酵素も同時に上昇します。筋肉や心臓ではCKという逸脱酵素が上昇します。
γ−GTP アルコール・薬物の連用や脂肪蓄積などによる肝臓への代謝的な負担が続くと上昇します。また、胆汁の流域に異常があるとALPと一緒に上昇します。
ALP(アルカリ性ホスファターゼ) 主に肝臓か骨の病気で上昇しますが、糖尿病や腎臓病で上昇することもあります。子供や妊婦は高値です。食事や血液型の影響で高めになることもあります。       
TP(総蛋白) 血液中の蛋白の総量ですが、主にアルブミンと免疫グロブリンの量を反映します。変化があれば、どの蛋白が変動しているのかを調べる必要があります。変化する原因としては、炎症性疾患や蛋白の生産異常・喪失などが考えられます。       
Alb(アルブミン) 炎症性疾患で低下しますが、肝臓や腎臓の重い病気でも低下します。栄養状態の指標として利用されます。       
CRP 炎症性疾患(感染症・膠原病・腫瘍など)の活動性に応じて上昇します。
T−ch(総コレステロール) ホルモンの異常で上昇したり、体質的に高くなりやすい人がいます。LDLやHDLという“入れ物”(リポ蛋白)に入っていますが、LDLに入っているコレステロールが増えると心臓や血管の病気になる危険性が高くなります。       
HDL−ch(HDLコレステロール) HDLという“入れ物”(リポ蛋白)に入っているコレステロールです。LDLと逆に心臓や血管の病気を防ぎます。       
TG(トリグリセライド/中性脂肪) 飲酒や食習慣で上昇したり、体質的に高くなりやすい人がいます。肥満による上昇は、心臓や血管に悪影響のあるリポ蛋白を多く作り出す原因となります。       
BUN(血中尿素窒素) 蛋白の分解産物です。腎臓で排出されるので、腎臓の働きが低下すると増加します。身体の蛋白が大量に破壊されたり、大量の消化管出血がある場合にも増加します。       
CRE(クレアチニン) 筋肉から放出され、腎臓で排出されます。腎臓の働きが相当悪くなると増加してきます。筋肉の多い人では高めです。       
UA(尿素) プリン体(核酸の材料)の代謝産物です。飲酒や食習慣・薬剤の影響などで増加しますが、体質的に増加しやすい人もいます。痛風や尿路結石の原因物質になります。       
Na、K、Cl 血液中の塩分の濃度です。脱水や腎臓の障害、ホルモンの影響などで変動します。
血糖 血液中のブドウ糖の濃度です。測定が空腹時か食後かで判定基準が変わります。
HbA1c(ヘモグロビンA1c) ブドウ糖を結合したヘモグロビンです。摂取したブドウ糖の合計量に比例して増加しますので、過去の平均的な血糖の状態が分かります。

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